大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
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マイクロアグレッション関連文献読書会 11月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:11月24日
今月も引き続き、デラルド・ウィン・スーの著作『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』の読書会をおこないました。今回は第12章の読書会をおこないました。
第12章では、心理臨床におけるマイクロアグレッションが扱われています。心理臨床における「ラポール」形成とマイクロアグレッションという話題を、他の状況や分野と比較しながら検討しました。これで『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』の読書会は終了です。
12月は、これまでの読書会を通じて学んだことや自分の研究に活かせそうなことを、ディスカッションを通じて検討します。
また来年1月からはロビン・ディアンジェロの『ホワイト・フラジリティ 私たちはなぜレイシズムに向き合えないのか?』(日本語訳は明石書店)を読み進めます。新規参加者を募集しているので、ご関心ある方はお気軽にご連絡ください。

シンポジウム:思想と精神分析

文責:香川祐葵(共生学系・共生の人間学)
活動日:2023年11月22日
イベント参加人数:約30名

大阪大学人間科学研究科棟2階ラーニングコモンズにて、「思想と精神分析」をテーマにシンポジウムを開催しました。計4名ご発表の後、コメンテーターによる質問および会場からの質問を受けての質疑応答が行われました。

主催:大阪大学人間科学研究科
共催:未来共創センター(哲学の実験OPEN-LAB、Project IMPACT)

発表:
中谷 碩岐(大阪大学 人間科学研究科 博士前期課程1年)
「ジャック・デリダにおける学知の現象学と精神分析」
石崎 美侑(京都大学 人間・環境学研究科 修士2年)
「フロイトーラカンの反復強迫論」
林 宮玉(大阪大学 人間科学研究科 博士後期課程3年)
「バタイユとラカンの享楽について」
庄 奕(京都大学 人間・環境学研究科 修士1年)
「谷崎文学と精神分析」

コメンテーター:
松本卓也(京都大学 准教授)
近藤和敬(大阪大学 准教授)

司会:
香川祐葵(大阪大学 人間科学研究科 博士後期課程3年)

松本卓也 講演会:生き延びの誕生――垂直から水平へ

文責:香川祐葵(共生学系・共生の人間学)
活動日:2023年11月22日
イベント参加人数:約30名

大阪大学人間科学研究科棟2階ラーニングコモンズにて、松本卓也先生による講演会を開催しました。松本先生によるご講演の後、コメンテーター3名による質問および会場からの質問を受けての質疑応答が行われました。
松本先生のご講演では、95年の阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件をきっかけに、「一度限りで決定的な」出来事という「垂直性」から、そうした出来事の「その後」をいかにして「生き延びるか」という「水平性」へ、社会の関心が移行してきたことについて、上野千鶴子と信田さよ子の事例を取り上げながら論じられました。
コメンテーターの質問では、「生き延び」の思想である上野や信田の事例と、今年出版された著作『コモンの「自治」論』における「自治」との関係について、「ポスト・モダン」と「象徴界」の観点から「生き延び」の誕生をどう位置付けるかについて、また時間と空間の観点から「垂直性」と「水平性」の均衡をどのように考えるかについて、などが挙げられました。

主催:「今日の思想状況としてのポスト・トゥルース研究とその批判的応答」(2023年度大阪大学学際融合を推進し社会実装を担う次世代挑戦的研究者育成プロジェクト共同研究採択)
共催:未来共創センター(哲学の実験OPEN-LAB、Project IMPACT)

講演:
松本卓也(京都大学 准教授)

コメンテーター:
客本敦成(大阪大学 人間科学研究科 博士後期課程2年)
香川祐葵(大阪大学 人間科学研究科 博士後期課程3年)
田中佑樹(大阪大学 人間科学研究科 博士後期課程1年)

司会:
香川祐葵

マイクロアグレッション関連文献読書会 10月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:10月23日
今月も引き続き、デラルド・ウィン・スーの著作『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』の読書会をおこないました。今回は第11章の読書会をおこないました。
第11章では、主に教育におけるマイクロアグレッションが扱われていました。参加者に教育学を研究するメンバーがいたため、日本の状況と比較しながら議論することができました。特にスーの著書ではそれほど議論されていなかった、教育を巡る制度的状況について注目することができたと思います。
11月も引き続き『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』を読み進めます。
また来年1月からはロビン・ディアンジェロの『ホワイト・フラジリティ 私たちはなぜレイシズムに向き合えないのか?』(日本語訳は明石書店)を読み進めることになりました。
いずれの読書会も新規参加者を募集しています。ご関心ある方はお気軽にご連絡ください。

「ラカンと現代社会」研究会 10月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:10月18、25日
10月の研究会では、ラカンのセミネール『精神分析の四基本概念』の第Ⅵ講を読み始めました。話題が次々と変わるラカンの文章を丁寧に検討しながら、参加者それぞれの解釈を提案するような議論をおこなうことができました。
また研究発表をおこないました。アメリカの批評家フレドリック・ジェイムソンにおけるフロイトとラカンの受容を扱うものでした。特にジェイムソンにおけるジャン・ポール・サルトルとフロイトの位置関係を巡って議論しました。
11月も引き続き『精神分析の四基本概念』を読み進めます。

対話番組「Radio PiXOL テツガクシャの御用聞き」2023年10月活動報告

2023年10月12日(木)、Youtubeにて2023年度第6回(全体では第14回)放送を
実施しました。本番組のメインパーソナリティーである「のじにぃ」(野尻英一先
生)と「ともちゃん」の二人に加えて、ゲストとして、民間企業をリタイア後、哲学
書に再トライなさっている「ショウケン」さんにご出演いただきました。
放送では、ショウケンさんの学生時代のお話から、民間企業をリタイア後に設定し
た勉強の目標まで、幅広いお話をしていただきました。「哲学書をみんなで読むこと
は楽しい」というメッセージが強く印象に残っています。
以下は、ショウケンちゃんさんとのじにぃからいただいたご感想です。


【10月ゲスト・ショーケン】
分からないこと、知りたいことが山ほどある。だからこそ哲学の古典を読むのです。
難解でわからなくても粘ってみよう。
少しでもわかり始めると、ほんとに面白くなる。病みつきになる。
ともに議論できる仲間がいるともっと楽しい。年齢は関係ない。


【のじにぃ】
人に歴史あり。ショーケンさんの長い人生の積み重ねからくるお話、一つ一つのエピ
ソードに味のしみたおでんのようなうまみがあり、もっといつまでも味わっていたい
と思いました。大学者のお名前も身近な方たちとして登場してびっくり。堪能させて
いただきました。また来てください!


次回は、11月16日(木)21:00-22:00に配信します。ぜひご視聴ください。


報告:眞田航(哲学と質的研究)

対話番組「Radio PiXOL テツガクシャの御用聞き」2023年9月活動報告

2023年9月28日(木)、Youtubeにて2023年度第5回(全体では第13回)放送を
実施しました。本番組のメインパーソナリティーである「のじにぃ」(野尻英一先
生)と「ともちゃん」の二人に加えて、ゲストとして「のりちゃん」さんにご出演い
ただきました。のりちゃんさんは、デザイン関係の仕事をされていた方です。
放送では、かつて予備校で受けていた授業や、東京の電車に揺られながら物思いに
ふけっていたことなどが、原体験として、現在の哲学の勉強につながっていると話さ
れていました。また、デザインと哲学の関係についてなどもお話しいただきました。
以下は、のりちゃんさんとのじにぃからいただいたご感想です。


【9月ゲスト・のりちゃん】
とても楽しくて、あっという間の60分でした。「世界にさわる感触」という言葉が頭
から離れません。土を捏ね、掌と土の応答のなかで生まれてくる形「茶碗」を再び目
と手と唇で愛おしむ。私たちはそういった経験の時間を、どんどん失っている気がし
ます。取り戻したいですね。


【のじにぃ】
大学でデザインを勉強されつつ、哲学に関心を持ってきたのりちゃんさんと、本当に
楽しいお話ができました。哲学は言語化できないものを言語化しようとする試みです
が、そのときにいつも境界にある「感触」が大事だと思っています。そのことを思い
出すことができた素敵な一時間でした。感謝です。


報告:眞田航(哲学と質的研究)

人類学基礎勉強会 9月・10月活動報告

文責:松木貴弥(共生学系・共生の人間学)

活動日:9月18日、25日 10月4日、11日

9月18日より、クロード・レヴィ=ストロース『野生の思考』(1962)の読書会を開始しました。第一章「具体の科学」では、近代的社会とは異なる共同体の人々における抽象語の使用や、呪術と科学の相違点や、両者に通底する人間の思考体系(「秩序づけの要求」)などについて論じられており、読書会ではその議論の内容を検討しました。一段落ずつ音読し検討するという形式のため、細かい内容についてじっくりと議論することができ、「基礎勉強会」としての本プロジェクトらしい活動ができたと思います。
10月後半は都合により活動を行いませんでしたが、来月からは第一章の後半部に入り、有名な「ブリコラージュ」の議論が展開される箇所を読んでいきます。

マイクロアグレッション関連文献読書会 8月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:8月24日
引き続き、デラルド・ウィン・スーの著作『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』の読書会をおこないました。今回は第9,10章の読書会をおこないました。
第9章で主にジェンダーとセクシュアリティに関する問題が扱われていました。スーは主に臨床心理学の観点から議論を組み立てていますが、その議論がフェミニスト理論とどのような点で重なるか、あるいは重ならないかについて議論しました。
第10章では企業組織におけるマイクロアグレッションが論じられています。「多様性の尊重」という言葉のもとでマイクロアグレッションが起こってしまうのはなぜなのか、いかにしてそれを防ぐことができるかについて、じっくり議論をおこないました。
9月は活動をおこないません。10月も引き続き『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』を読み進めます。

「ラカンと現代社会」研究会 8月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:8月3、10、17、24、31日
8月の研究会では、ラカンのセミネール『精神分析の四基本概念』の第Ⅴ講を読み終えました。第Ⅴ講の最後では古代原子論に基づいて人間における偶然性の重要性が強調されていたのですが、研究会ではその議論の内実を検討しました。
また研究発表を2件おこないました。1つ目は日本のポピュラーカルチャーにおける精神分析的な理論の今日的意義を検討するもので、2つ目はドール文化を精神分析的な観点から分析するものでした。いずれもラカンの精神分析理論に基づいて現代の文化を検討するものであり、当研究会らしい議論ができたと思います。
9月は都合により活動をおこないませんが、10月からは『精神分析の四基本概念』の第Ⅵ講の読書会に入っていきます。「目と眼差し」や「対象a」といった有名な議論が出てくる箇所です。参加メンバーは哲学の実験グループの内外を問わず常時募集しておりますので、もしご関心がある方がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。