大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
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哲学と神経科学研究会(2)

活動日|2026年4月18日
記録|米田沙由葵(比較文明学)
https://youtu.be/JefdLkwC32w?si=6Uxqlzj8JIwfSH57
今回は約30分の動画となった。議論は、フレドリック・ジェイムソンの理論紹介から始まった。野尻は、ジェイムソンがジジェクに先行する理論家である面を持ち、映画やSF文学などポピュラーカルチャーを哲学的に論じることで知られると説明した。ジェイムソンの理論では、文化作品における象徴とは、現実界の水準で経験される解決不可能な矛盾に対する想像的解決であり、文学や映画は社会的矛盾を象徴的に処理する試みとして理解される。これが現代における表象文化論の基本フレームとして貢献していることが説明された。
続いて、ラカンおよびジジェクにおける「幻想」の役割が論じられた。野尻は、幻想が世界と言語をつなぐ接着剤として機能すると説明した。物自体と言語は本来的には一致しないが、幻想によって結びつけられる。さらに、この幻想は個人の内部だけで成立するのではなく、複数の主体によって共有される共同幻想として安定することが確認された。
さらに、議論は宇宙と言語の関係にも及んだ。高瀬は、言語は現実界ではなく人間の内側にあるものと理解してよいのかと問いを投げかけた。これに対して野尻は、ジジェクが宇宙の構造と言語の構造に共通性を見出していると説明した。特にヒッグス場の理論が参照され、抵抗としてのヒッグス場が働くことで物質的構造が可能になるという説明が、言語や幻想が世界に構造を与える働きと重ねて理解されていることが紹介された。
最後に、観念論と実在論の関係が議論された。野尻は、ヘーゲルは観念論の極致とされる一方、その核心は「概念が運動している(それがすべてである)」と主張する一元論であると説明した。高瀬は、概念によって世界が成立するのであれば、自身は観念論の立場に近いのではないかと述べた。これに対して野尻は、概念が世界を成立させるとしても、なぜ概念が運動するのか、その原動力となる「否定性」を考える必要があると指摘した。

16「フレドリック・ジェイムソン??」

17「幻想がかぎ??」

18「宇宙??言語??」

19「観念論??実在論??」

という4部構成の動画として公開した。

活動日|2026年5月9日
記録|米田沙由葵(比較文明学)

今回は約30分の動画となった。議論は、言語と世界の関係をめぐる前回の振り返りから始まった。高瀬は、ラカンやジジェクにおける現実界・象徴界・想像界の関係に触れつつ、言語を、単なる人間の認識道具ではなく、世界そのものの中にある自然現象として捉えたいと述べた。特に数学を例に挙げ、数学が言語であるならば、数学によって宇宙の理そのものを記述できるのではないかという問題が提起された。これに対して野尻は、ヘーゲル論理学における「存在と思考の一致」のテーゼを紹介し、言語や概念が世界そのものを表現しているのか、それとも人間が作った枠組みにすぎないのかという問いが、古代から続く哲学的問題であることが確認された。
続いて、理論とモデルの違いについて議論が行われた。高瀬は、理論とは複数の事象から導かれる検証可能な命題であると説明した。これに対して野尻は、現代の素粒子物理学では「理論」よりも「モデル」という語が用いられ、直接観測できない対象について存在を仮定し、その痕跡を実験によって確認する方法がとられることを説明した。高瀬は、心理学における記憶モデルやラカンのシェーマも例に挙げ、モデルとは世界や事象を説明するための図式や枠組みであり、そこから命題が導かれて検証へとつながるものとして整理した。
最後に、哲学における思考実験の役割も取り上げられた。高瀬は、フランク・ジャクソン「マリーの部屋」を例に挙げ、思考実験は論理の積み重ねによって矛盾を示し、そこから新たな存在や概念を導く方法であると説明した。これに対して野尻は、思考実験も一種のモデルとして機能し、あるものの存在を仮定することで複数の現象を説明可能にする点で、科学におけるモデル構築と通じることが確認された。

20「言語と世界の関係??」

21「理論??モデル??」

22「思考実験??」

という構成となっている。