第33回ジジェク研究会
日時:2026年5月23日(土) 13:30〜16:30
場所:Zoom(オンライン)
参加人数:14名
文責|葛西李成(比較文明学)
1.研究発表【発表者|野尻英一】「惑星的ジジェクへのステップ——否定性と無限判断の地質学——」
2.研究発表【発表者|信友建志】「ラカン「資本主義のディスクール」⽣成過程について─ミレール・ジジェク論争を⼿がかりに」第33回ジジェク研究会では、二件の研究発表を行った。
野尻英一(大阪大学)氏の発表は「日本」とジジェク哲学の間の困難な関係性を出発点に、その双方の課題としての「惑星的思考」を提示するものであった。本発表において野尻氏は、国民国家という「幻想」を可能とするハビトゥスとしての身体性に光を当てた上で、それを超克しうる惑星的な集合性を有した想像的身体の再編成への理路を指し示した。質疑応答では、ナショナリズムにおける身体性の位相や、スピヴァクとジジェクの理論的差異など、多くの論点が提示された。
信友建志(鹿児島大学)氏の発表は、享楽及び資本主義をめぐるジャック=アラン・ミレールとジジェクの論争に基づき、ジャック・ラカンの「資本主義のディスクール」について検討するものだった。本発表において信友氏は、ラカンの「四つのディスクール」の生成過程を構文論・意味論の二系列として分析することで、「資本主義のディスクール」をめぐるミレールとジジェクの対立の理論的根拠を解明した。質疑応答では、ラカンにおける構文論と意味論の距離や、現代のAIをめぐる記号接地問題との接続など、多くの論点が提示された。研究会での詳細な議論については、添付画像を参照のこと。※科学研究費基盤B(23H00573)「スラヴォイ・ジジェク思想基盤の解明:ヘーゲル、ラカン解釈を中心に」
研究代表者・野尻英一