第25回ジジェク研究会
日時:2025年8月16日(土) 13:30〜17:00
場所:Zoom(オンライン)
参加人数:13名
プログラム:
1. ジジェク研究会:”スラヴォイ・ジジェクと西田幾多郎のミッシング・リンク ――欲動論的転回をめぐって”【発表者|眞田航】
2. ジジェク研究会:”いかにしてジジェクはデリダを擁護するか”【発表者|小川歩人】第25回ジジェク研究会では、研究発表を二件おこなった。
第一発表の眞田発表では、ジジェクと日本の哲学者・西田幾多郎の二者における思想の変化をそれぞれ比較することで、両者の異同が検討された。眞田によれば、両者はいずれも思想上の〈転回〉と呼ばれるものを経ているが、その論理には一定の同型性が認められる。ただし両者の政治的態度は大きく異なっているため、ジジェクと西田の思想の分化がどこに認められるかが重要な研究課題となる。
質疑応答では、ジジェクと西田におけるヘーゲルやシェリングといったドイツ観念論の解釈の異同が注目され、時代や国が大きく異なる両者を比較研究することの重要性が確認された。
第二発表の小川発表では、ジジェクにおけるデリダ評価を分析対象とし、一見すると対照的に思われる両者の複雑な関係が整理・分析された。ジジェクはしばしばデリダに抗してラカンやヘーゲルの立場を打ち出しているようにみえるが、実際のところその関係は曖昧である。特に『絵画における真理』における額縁論は、それが換骨奪胎されてヘーゲル的な「対立的規定」概念解釈に用いられていると理解でき、ジジェクは相当程度デリダを意識して議論を組み立てていたと推測できる。
結論部では、近年のデリダ研究の動向も言及されつつ、デリダとジジェクの関係が、デリダ研究にもかかわるような多くの論点を提起しうるものであることが示された。
議論や実施内容の詳細は添付資料を参照のこと。※科学研究費基盤B(23H00573)「スラヴォイ・ジジェク思想基盤の解明:ヘーゲル、ラカン解釈を中心に」研究代表者・野尻英一
文責|客本敦成(比較文明学)

