大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
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第19回ジジェク研究会

日時:2025年2月15日(土) 13:30〜18:00
場所:zoomミーティング
参加人数:16名

プログラム
データベース・ミーティング:Less Than Nothing, Chap.4: Is It Still Possible to Be a Hegelian Today?, Struggle and Reconciliation 節,¶18
ジジェク研究会a :ドリンシェク・サショ(早稲田大学)「日本のトイレ」
ジジェク研究会b :吉田尚史(早稲田大学)「ジジェクの主体論に基づく移民・トラウマ・ケア」

概要報告
今月はジジェクのテキストに評注をするデータベース・ミーティングと、International Journal of Žižek Studies誌論文投稿にむけての研究発表がなされた。

前半のデータベース・ミーティングでは、Less Than Nothingの第4章Is It Still Possible to Be a Hegelian Today? 第18段落を評注した。

後半の研究発表では、まずドリンシェク・サショ氏(早稲田大学)によって、ウォシュレットなどにみられる日本のトイレの特徴を導入として、日本における「汚いもの」、異他的なものの排除と「和」が論じられた。前提として、ジジェクがドイツ、フランス、イギリスのトイレの特徴に各国の「イデオロギー」が現われていると論じたことがあり、これを踏まえて日本のトイレにおける清潔さへのこだわりは単一民族の幻想やある種の排外主義を孕む日本の「文化」と結びついていると指摘された。
吉田尚史氏(早稲田大学)による発表は、ジジェクのトラウマ論と日本における東南アジアからの移民の事例を繋げながら、トラウマを抱えた上で再編成される主体(ポストトラウマ的主体)を論じるものであった。質疑応答ではそもそもジジェクのトラウマ理論の意義をどこに見出すかという前提に関わるところを中心に議論がなされた。

議論や実施内容の詳細は添付資料を参照のこと。

※科学研究費基盤B(23H00573)「スラヴォイ・ジジェク思想基盤の解明:ヘーゲル、ラカン解釈を中心に」研究代表者・野尻英一

文責:丸山由晴(比較文明学)