大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
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第10回ジジェク研究会

日時:2024年3月16日(木) 13:00〜15:30
場所:zoomミーティング
参加人数:15名

プログラム

  1. 13:30-14:10 自己紹介[40分]
  2. 14:10-15:15 会務(交付申請、研究分担者分掌、研究会スケジュール、研究会対面開催についてなど)+IJZS誌特集号掲載論文主題の集約と検討[65分]
  3. 15:15-15:30 データベースミーティング内容の検討(Less Than Nothing)[15分]

科学研究費基盤B(23H00573)「スラヴォイ・ジジェク思想基盤の解明:ヘーゲル、ラカン解釈を中心に」研究代表者・野尻英一

人類学基礎勉強会 4月活動報告

文責:松木貴弥(共生学系・共生の人間学)
活動日:4月17日、24日
 2月に引き続き、マリノフスキー『未開社会における犯罪と慣習』を読み、読み終える
ことができました。マリノフスキーの議論における「法」、「慣習」、そして「制度」と
いったタームの使い分けや、「行為」について、自身の関心に引きつけつつ活発な議論を
行うことができました。
 また、今月は4月27日行なわれた「『思想としてのアナキズム』合評会」におけるコ
メントのプレ発表も行いました。参加者同士で発表に対するフィードバックや質問、議論
を行い、本番に向け良い準備ができました。

マイクロアグレッション関連文献読書会 3月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:3月28日

今月は、ロビン・ディアンジェロの『ホワイト・フラジリティ 私たちはなぜレイシズムに向き合えないのか?』の第二章を読みました。ディアンジェロが本の中で独自に定義する「差別」や「レイシズム」の概念について、特に「差別」が行動の一種として考えられていることが議論されました。「構造的な差別」という表現をする場合もあるため、個人の「行動」という定義では十分では無いのではないかという批判が出たほか、反対に、「行動」と「構造」を区別することによって、差別の中でもより悪質な差別を識別できるのではないかという論点を提示したりしました。
また読書会の後には、今年の9月頃に研究会のメンバーで共同研究発表をおこなうことが合意されました。そこで今後の研究会活動は読書会を一時中断し、研究発表を中心に活動していくことになります。
次回は早速、研究発表構想の検討会を行います。

「ラカンと現代社会」研究会 3月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:3月6、13、20、27日
3月の研究会では、引き続きラカンのセミネール『精神分析の四基本概念』の第Ⅵ講を読みました。今回で第Ⅵ講を読み終えました。
第Ⅵ講は『精神分析の四基本概念』のなかでも微妙な位置づけにある回で、「眼差し」というラカンにとって重要な概念がフォーカスされています。しかし精神分析の再考という『精神分析の四基本概念』の問題設定にとってこの概念がどのような意味を持つのかは明らかではないため、メンバーのなかで議論をおこないました。
4月以降も『精神分析の四基本概念』を読み進めます。

第9回ジジェク研究会

日時:2024年3月16日(木) 13:00〜17:20
場所:大阪大学吹田キャンパス人間科学研究科棟12講義室+zoomミーティング
参加人数:19名

プログラム
1. 13:30~15:00 プロジェクト総会(次年度方針について)
2. 15:10~17:20 研究発表:片岡一竹(早稲田大学)「欲動の厄介なる「主体」――ジジェクの「欲動論的転回」とその政治的含意」

科学研究費基盤B(23H00573)「スラヴォイ・ジジェク思想基盤の解明:ヘーゲル、ラカン解釈を中心に」研究代表者・野尻英一

「現代思想におけるハイデガー研究会」3月活動報告

文責:葛西李成(社会学系・比較文明学)
活動日:3月7日、3月14日、3月21日、3月28日
今月は、マルティン・ハイデガー『存在と時間』の第三十三節、第三十四節を読みました。実存論的=存在論的構造から立ち上がってくるハイデガーの言語論について、哲学史における諸議論と対照させつつ、原文も参照しながら議論することができました。来月も引き続き『存在と時間』に取り組む予定です。

インターンシップ体験記(5)哲学の実験オープンラボⅹ株式会社レイ・クリエーション

丸山由晴(社会学系・比較文明学M2)

2月13日(火)から2月16日(金)

今般、哲学の実験オープンラボ取次のもと、株式会社レイ・クリエーション様※で4日間のインターンシップを行うこととなった。

※大阪市中央区本町4丁目5番7号 サンドール本町8階

レイ様は、エネルギー、医療、工業分野を主軸として、webデザイン、動画制作、広告制作など総合的なプロモーションのデザインを主な事業として展開されている。

私は、インターンシップということで、実際に各事業の企画、折衝、社内打合せ、現場での撮影に参加させていただくこととなった。今般のインターンシップで面白かった第一の点として、いわゆる「インターンシップ」と異なり、実際の業務を見学、さらに参加することができた点だ。ベンチャー企業や技術職としての求人はともかくとして、(学部時代の私もそうであったが)一般に文系の学生が総合職として就職活動を行うとなると、人事部が「就活」向けに設定した「インターンシップ」に参加することなる。そこで行われるのは、実質的には会社説明や他のインターン生とのワークショップであり、言葉本来の意味でのインターンシップは行われない。その点で今回は実際に各種業務に参加することでき、大変勉強になった。

それでは、具体的な学びの内容について報告したい。哲学分野の学生としてビジネスとはいささか距離感があり、今回参加する中でもすぐには適応できない点もあったが、他方哲学分野の学生であるからこそ気づけた点もあった。それは、仕事をするにあたって取ってつけたような外在的な進め方ではなく、目的に応じて物事の内在的な繋がりから考えることがいかに重要であるか、である。

デザインをするにあたって、デザインを単に「綺麗」や「一般的」という理由で構成するのではなく、なぜそのようなデザインであるのかを、顧客の要望や顧客の置かれている状況から、筋を通したものとできるように思考することが重要であると、レイ様の代表、原田社長は会議で語られていた。そうでなければ、デザインは外在的なものとなり、そのデザインである理由を説明することも顧客に対する訴求力を発揮することもできないと。またデザインの考案以外にも、事情方針についての社内会議にも出席させていただいたが、そこでも事業計画や具体的な事業を立案するにあたって、目標に対してなぜその構成、内容であるのかを説明できる論理が求められていた。私自身の言葉で言い換えれば、総合してビジネスにおいても、目的に対する必然的な論理が求められているのだと理解できた。必然的というのは、他ではなくそれである事由を具えているということだ。

もちろん、特にレイ様がデザインを事業にされているがゆえに、その傾向が強いのだろうが、しかしビジネスにおいても物事を進めるにあたって、確かな根拠と必然的な繋がりがなければ、自身の行うことは他者に対して訴求力を持ちえないのだと理解できた。

さて何故あえて、「哲学分野の学生として」という言葉を始めに付けたのかと言えば、それは自分自身が普段テキストを読み、研究発表をする中で、内在的な必然性を伴った論理こそそれらの要であると、ぼんやりと考えていたからだ。「ぼんやり」と書いたのは、今回インターンシップに参加することで、分野を問わず重要な事柄であると、反省的に認識し、自分自身の研究に関しても重要な事柄である明確にすることができたからだ。考えてみれば当然のことであり、それだけ私が世間のことを知らない証左であるのだが、しかし物事を考えるにあたっては研究と仕事で決定的な隔たりはないと気づけたのは、私にとって大きな学びであった。

以上のほかに、レイ様が加盟されている株式会社 大阪ケイオスの定例会などの企業の集まりにも出席させていただいた。普段触れることのない、大阪の中小製造業の方々から、また自分の知らない世界ややり方について学ぶことができた。

末筆ながら、歳末も近くお忙しいところ、今回インターンシップ参加をご快諾いただいたレイ・クリエーション様には、御礼申し上げます。

以上

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好評だった2022「テツガクと私」篇、2023「テツガクへの期待」篇の全16回分の放送をアーカイブ公開。いつでもどこでもRadio PiXOLのあの放送空間をお楽しみいただけます。

【Radio PiXOL テツガクシャの御用聞きアーカイブ】
https://exphopenlabo.hus.osaka-u.ac.jp/radio-pixol/