大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
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マイクロアグレッション関連文献読書会 8月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:8月24日
引き続き、デラルド・ウィン・スーの著作『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』の読書会をおこないました。今回は第9,10章の読書会をおこないました。
第9章で主にジェンダーとセクシュアリティに関する問題が扱われていました。スーは主に臨床心理学の観点から議論を組み立てていますが、その議論がフェミニスト理論とどのような点で重なるか、あるいは重ならないかについて議論しました。
第10章では企業組織におけるマイクロアグレッションが論じられています。「多様性の尊重」という言葉のもとでマイクロアグレッションが起こってしまうのはなぜなのか、いかにしてそれを防ぐことができるかについて、じっくり議論をおこないました。
9月は活動をおこないません。10月も引き続き『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』を読み進めます。

「ラカンと現代社会」研究会 8月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:8月3、10、17、24、31日
8月の研究会では、ラカンのセミネール『精神分析の四基本概念』の第Ⅴ講を読み終えました。第Ⅴ講の最後では古代原子論に基づいて人間における偶然性の重要性が強調されていたのですが、研究会ではその議論の内実を検討しました。
また研究発表を2件おこないました。1つ目は日本のポピュラーカルチャーにおける精神分析的な理論の今日的意義を検討するもので、2つ目はドール文化を精神分析的な観点から分析するものでした。いずれもラカンの精神分析理論に基づいて現代の文化を検討するものであり、当研究会らしい議論ができたと思います。
9月は都合により活動をおこないませんが、10月からは『精神分析の四基本概念』の第Ⅵ講の読書会に入っていきます。「目と眼差し」や「対象a」といった有名な議論が出てくる箇所です。参加メンバーは哲学の実験グループの内外を問わず常時募集しておりますので、もしご関心がある方がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。

対話番組「Radio PiXOL テツガクシャの御用聞き」2023年8月活動報告

対話番組「Radio PiXOL テツガクシャの御用聞き」2023年8月活動報告

2023年8月10日(木)、Youtubeにて2023年度第4回(全体では第12回)放送を実施しました。今回は大学院入試スペシャルだったので、本番組のメインパーソナリティーである「のじにぃ」(野尻英一先生)と「ともちゃん」の二人に加えて、ゲストとして現役大学院生の「パンシー」さん、「かいさん」さん、「やってぃん」さん、「ピーちゃん」(運営スタッフ)にご出演いただきました。
放送では主に、ゲストのみなさまの体験談をもとに、哲学系の大学院についてどのように情報を集めたか、大学院を選ぶときの決め手になったこと、哲学系の院試で勉強したことなどについて語っていただきました。
以下は、ゲストのみなさまとのじにぃからいただいたご感想です。

【8月ゲスト・かいさん】
他の方の入試の勉強法は普段聞く事が無いので、興味深く楽しい時間でした。約1か月後の大学院入試に向けて、自分なりの勉強法を見つけて、計画的にがんばってほしいです。応援しています。

【8月ゲスト・やってぃん】
受験の際、ラカンの精神分析の勉強には向井雅明の『ラカン入門』、西洋哲学史の全体的な勉強には、熊野純彦の『西洋哲学史』(岩波新書)を使用しました。皆さんの研究関心にぴったりの研究室に巡り合えるとよいですね。他のゲストの皆さんの受験ハプニング集は衝撃でした。

【8月ゲスト・パンシー】
半ば自虐になってしまい恥ずかしい限りですが反面教師にしてもらえれば幸いです。勉強法はとにかく志望する研究室に訪問して院生に聞くのが一番です。スパルタっぽいですが、あとはもうひたすら勉強と研究あるのみです。学部のうちに頑張らないと院進してからがキツイです。

【8月ゲスト・ピーちゃん】
私自身の院試はかなり前のことだったのですが、今回お話しするなかで、院試での勉強が現在の研究にもつながっていると気づきました。視聴者のみなさんも、もし院試を受けることがあれば、将来の研究につながると思ってがんばってほしいと思います。

【のじにぃ】
現役大学院生の院試対策、志望している方にとって参考になる内容だったかと思います。私おすすめの参考書はヴィンデルバント『西洋哲学史』と樫山欽四郎『哲学概説』です。今回の内容は特別に保存して、公開予定です。院試に向けて頑張っている方たちの参考と励みになれば。

次回は、9月28日(木)21:00-22:00に配信します。ぜひご視聴ください。

報告:眞田航(哲学と質的研究)