大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
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対話番組「Radio PiXOL テツガクシャの御用聞き」2023年5月活動報告

2023年5月25日(木)、Youtubeにて2023年度初回(全体では第9回)放送を実施しました。本番組のメインパーソナリティーである「のじにぃ」(野尻英一先生)と「ともちゃん」の二人が出演しました。放送では、主に以下の内容が語られました。

・前年度の放送のふりかえり
・哲学と対話の関係について
・今年度の方針

 今年度は〈テツガクへの期待〉篇として、主に、社会人の立場から哲学に関わっている方々に出演していだだきます。

報告:眞田航(哲学と質的研究)

マルクス主義的社会理論研究会 5月活動報告

丸山由晴(社会学系・比較文明学M2)

活動日:05/30

参加者も新たに迎え、5月末から、2023年度春夏学期の活動を開始しました。
第8章「労働日」第1節「労働日の限界」を読みました。

剰余価値が発生するメカニズムを踏まえた上で、必要労働時間と剰余労働時間という区別のもと、労働が行われる単位である「労働日」について、資本制においては本質的にその時間が拡張される傾向があるということを確認しました。
このような労働時間の延長は、現代の労働においても考えられる話題であり、テキスト解釈を行いつつも、各人の経験に引き付けた議論もなされました。
「労働日」章は、19世紀イギリスの労働環境についての報告が多くを占めており、これまでの『資本論』の理論的叙述からはいささか外れるところではあります。しかし、むしろ労働者が資本制において翻弄されていることを訴えている箇所であり、マルクスが資本論という理論的な書物においてさえ現実の労働者へのまなざしを忘れなかった証左であると思えます。
引き続き、『資本論』を読み進めていきます。

マイクロアグレッション関連文献読書会 5月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:5月25日
マイクロアグレッション関連文献読書会の最初の活動として、デラルド・ウィン・スーの著作『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』のセクション2の読書会をおこないました。
心理学の立場から議論が展開されるスーの議論に対して、社会科学の立場から疑問が出るなど、ディシプリンを超えて、幅広く議論をすることができました。

「現代思想におけるハイデガー研究会」五月活動報告

文責:葛西李成(社会学系・比較文明学)

活動日:4/27、5/11、5/18、5/25
五月の研究会では、マルティン・ハイデガー『存在と時間』の第一編第二十節「「世界」の存在論的規定の基礎」までを扱いました。今月はハイデガー独自のジャーゴンに苦労させられることが多く、複数の邦訳に加えドイツ語原文や中国語訳などとも照らし合わせながら、一個一個の用語を確認して議論を進めました。内容としては、一般的な意味合いとは異なる含意をもつハイデガーの「世界」概念の理解に向けて、集中して討議することができたと感じています。来月も引き続き、『存在と時間』を読み進めていく予定です。

「ラカンと現代社会」研究会 5月活動報告

文責:客本敦成(社会学系・比較文明学)
活動日:5月11、18、25日
5月の研究会でも、引き続きラカンのセミネール『精神分析の四基本概念』の第Ⅴ講を読みました。ゆっくり読み進めることで、少しずつ内容が理解できるようになりました。
特に「表象代理」というフロイト由来の難解な概念について、メンバー間で共通理解ができてきたと思います。