第24回ジジェク研究会
日時:2025年7月19日(土) 13:00〜17:00
場所:Zoom(オンライン)
参加人数:17名
プログラム:
1. ジジェク研究会:”愛とおぞましいものの共同体──ジジェクにおける〈母〉の抑圧と女性の式”【発表者|佐藤愛】
2. ジジェク研究会:”見えないものを見る主体 東浩紀によるジジェク受容について”【発表者|客本敦成】第24回ジジェク研究会では、研究発表を二件おこなった。
第一発表の佐藤発表では、ジジェクのキリスト論を対象とし、ジジェクがラカン的な意味での「女性」としてキリストを位置づけていることが指摘された。佐藤は、ジジェクにおけるラカンの性別化の式の解釈において、フランスの思想家ジュリア・クリステヴァの「アブジェクト」概念からの影響がみられると指摘し、ジジェクのキリスト論が〈失われた対象との同一化〉を巡るものであると主張した。
佐藤の発表は、これまで十分に顧みられなかったジジェクとクリステヴァの関係を明らかにするものであると同時に、クリステヴァを援用することで、ジジェクにおける男性性と女性性の関係の曖昧さを批判的に捉え直すものでもあるといえる。
第二発表の客本発表では、1990年代におけるジジェクのサイバースペース論を対象とし、ジジェクのサイバースペース論が日本の批評家の東浩紀のサイバースペース論に積極的な影響を与えていることを指摘した。ジジェクと東は、いわゆる「ポストモダン」的な歴史状況を認識しつつも、単に複数に分裂する主体ではない主体像を提示するという点で、共通点があった。
客本の発表は、日本におけるジジェク受容の一端を示すものであったほか、質疑応答では、ジジェクのサイバースペース論の独自性を理解するうえでも1990年代の論考は重要であるという指摘もなされた。
議論や実施内容の詳細は添付資料を参照のこと。※科学研究費基盤B(23H00573)「スラヴォイ・ジジェク思想基盤の解明:ヘーゲル、ラカン解釈を中心に」
研究代表者・野尻英一
文責|客本敦成(比較文明学)

