大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
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松本卓也 講演会:生き延びの誕生――垂直から水平へ

文責:香川祐葵(共生学系・共生の人間学)
活動日:2023年11月22日
イベント参加人数:約30名

大阪大学人間科学研究科棟2階ラーニングコモンズにて、松本卓也先生による講演会を開催しました。松本先生によるご講演の後、コメンテーター3名による質問および会場からの質問を受けての質疑応答が行われました。
松本先生のご講演では、95年の阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件をきっかけに、「一度限りで決定的な」出来事という「垂直性」から、そうした出来事の「その後」をいかにして「生き延びるか」という「水平性」へ、社会の関心が移行してきたことについて、上野千鶴子と信田さよ子の事例を取り上げながら論じられました。
コメンテーターの質問では、「生き延び」の思想である上野や信田の事例と、今年出版された著作『コモンの「自治」論』における「自治」との関係について、「ポスト・モダン」と「象徴界」の観点から「生き延び」の誕生をどう位置付けるかについて、また時間と空間の観点から「垂直性」と「水平性」の均衡をどのように考えるかについて、などが挙げられました。

主催:「今日の思想状況としてのポスト・トゥルース研究とその批判的応答」(2023年度大阪大学学際融合を推進し社会実装を担う次世代挑戦的研究者育成プロジェクト共同研究採択)
共催:未来共創センター(哲学の実験OPEN-LAB、Project IMPACT)

講演:
松本卓也(京都大学 准教授)

コメンテーター:
客本敦成(大阪大学 人間科学研究科 博士後期課程2年)
香川祐葵(大阪大学 人間科学研究科 博士後期課程3年)
田中佑樹(大阪大学 人間科学研究科 博士後期課程1年)

司会:
香川祐葵