マルクス主義的社会理論研究会 6月活動報告
丸山由晴(社会学系・比較文明学M2)
活動日:6/6, 13, 20, 27
先月から引き続き、『資本論』第1巻を読んでいます。
今月の活動で、第8章「労働日」を読み終えました。
全体として、19世紀イギリスの労働環境や、環境改善のための労働闘争についてのジャーナリスティックな記述が多く、それを『資本論』という理論的な本に載せたことの意味がよく議論されました。
報告者としては、一つにはマルクスが実践的次元へのまなざしを強く持っていたことを示す証左であると考えました。加えて、マルクスが『資本論』を読み始めるにあたって、「労働日」章をすすめていたことを踏まえて、いわば労働者に対するアジテーションの意味があったのではないか、そして翻って『資本論』全体が理論書であると同時に、活動のためという面も有するのではないかとも議論されました(ただしその割にはあまりに理論的な話が多いというバランスの問題はありますが)。
また、個々の記述は別としても、マルクスは、労働時間の短縮が、より良い社会を実現するための先決的条件であると(引用ではありますが)語っており、実際労働時間の制定を巡った闘争の歴史を記述しているところからも、『資本論』のようなマルクスの系譜は、革命を起こしたがるようなところはありつつも、漸進的に改善するビジョンもあったのだと興味深く思いました。
来月も『資本論』を読み進めていきます。