大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
Twitter

マルクス主義的社会理論研究会 5月活動報告

丸山由晴(社会学系・比較文明学M2)

活動日:05/30

参加者も新たに迎え、5月末から、2023年度春夏学期の活動を開始しました。
第8章「労働日」第1節「労働日の限界」を読みました。

剰余価値が発生するメカニズムを踏まえた上で、必要労働時間と剰余労働時間という区別のもと、労働が行われる単位である「労働日」について、資本制においては本質的にその時間が拡張される傾向があるということを確認しました。
このような労働時間の延長は、現代の労働においても考えられる話題であり、テキスト解釈を行いつつも、各人の経験に引き付けた議論もなされました。
「労働日」章は、19世紀イギリスの労働環境についての報告が多くを占めており、これまでの『資本論』の理論的叙述からはいささか外れるところではあります。しかし、むしろ労働者が資本制において翻弄されていることを訴えている箇所であり、マルクスが資本論という理論的な書物においてさえ現実の労働者へのまなざしを忘れなかった証左であると思えます。
引き続き、『資本論』を読み進めていきます。