大阪大学
大阪大学大学院人間科学研究科 附属 未来共創センター
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マイクロアグレッション関連文献読書会 2024年10月活動報告

文責|客本敦成(比較文明学研究室)
活動日|10月21日
参加者|5名

 10月の活動では、赤木優希氏による研究発表をおこなった。赤木氏の発表はジャン・ポール・サルトルの「憎悪」概念に注目し、マイクロアグレッションにおける非意識的な敵意を分析するものであった。
 マイクロアグレッション研究において、マイクロアグレッションの「加害者」(この表現の妥当性もしばしば議論になる)が害意や敵意を有しているかどうか、有しているとしてどのように有しているかどうかは、難しい問題として議論されてきた。
 赤木氏はこれに対して、人間関係を複数の自己意識間の「眼差し」の問題として分析し、マイクロアグレッションを発生させる敵意を、サルトルが唱える意味での「憎悪」として位置づけた。
 議論のなかでは、マイクロアグレッションにおいてよくみられる、眼差しを向ける者と向けられる者の間での非対称性をどのように理解すればよいのかについての議論がなされた。またこれと関連して、眼差す者の透明化にかんする、フランツ・ファノンの理論の紹介もなされた。
 11月の活動では、土屋友衣子氏の研究発表をおこなう予定である。