第35回ジジェク研究会
第35回ジジェク研究会
日時:2026年8月15日(土) 13:30〜15:40
場所:Zoom(オンライン)
参加人数:15名
文責|葛西李成(比較文明学)1. 研究発表「スラヴォイ・ジジェク『イデオロギーの崇高な対象』におけるミレールへの参照」【発表者|信友健志】
第35回ジジェク研究会では、スラヴォイ・ジジェクのラカン解釈をめぐって、一件の研究発表を行った。
信友健志氏の発表は、スラヴォイ・ジジェクの主著『イデオロギーの崇高な対象』におけるジャック=アラン・ミレールのラカン解釈への参照を、ミレール自身の1980年代のセミネールに遡って検証するものであった。本発表において信友氏はジジェクのミレール援用を六つの観点(①一般化された排除、②構成された/構成する同一化、③享楽の排出、④外密、⑤身体的偶然性と論理的整合性、⑥主体は現実界の答えである)から整理しつつ、ジジェクがミレールの議論を「圧縮」したうえで援用していることを指摘した。信友氏によれば、ジジェクはこの操作によってラカン理論をイデオロギーについての政治的・社会的問題へと移植することに成功したが、その反面としてラカン理論内部の諸契機がジジェクにおいては安直に同一視されているという問題点もある。質疑応答では、初期ジジェクの社会思想の理論的系譜、ジジェクのヘーゲル解釈の傾向との異同、アルチュセールの「呼びかけ」論との関係など、多くの論点が提示された。
※科学研究費基盤B(23H00573)「スラヴォイ・ジジェク思想基盤の解明:ヘーゲル、ラカン解釈を中心に」 研究代表者・野尻英一
