第36回ジジェク研究会
第36回ジジェク研究会
日時:2026年9月19日(土) 13:30〜17:00
場所:Zoom(オンライン)
参加人数:14名
文責|葛西李成(比較文明学)1. 研究発表「『イデオロギーの崇⾼な対象』におけるヘーゲル反省論読解の検証に向けて」【発表者|高橋若木】
第36回ジジェク研究会では、スラヴォイ・ジジェクのヘーゲル解釈をめぐって、一件の研究発表を行った。
高橋若木氏の発表は、スラヴォイ・ジジェク初期の主著『イデオロギーの崇高な対象』におけるヘーゲル『大論理学』解釈とその限界を、「反省論」に唯物論の原型を見出す後期ジジェクの理論的展開を背景に検証するものであった。本発表において高橋氏は、「⼤⽂字の〈他者〉の⾮存在」のモデルに即して『大論理学』「反省論」を読解する『イデオロギーの崇高な対象』の妥当性をヘーゲル自身のテクストに即して検討しつつ、その限界をジジェクの君主論・堕罪論・キリスト教論において指摘した。高橋氏によれば、「反省論」の枠組みに依拠する初期ジジェクの議論は、その帰結として出来事ないし生成の偶然性を固定的に捉えてしまう傾向性を有しており、これこそが後期ジジェクが突破しようとした初期思想の限界である。質疑応答では、ラカンの欲望の弁証法との連関、ヘーゲルの体系性に対するジジェクの態度、ジジェクの政治哲学における革命の可能性・不可能性など、多くの論点が提示された。
※科学研究費基盤B(23H00573)「スラヴォイ・ジジェク思想基盤の解明:ヘーゲル、ラカン解釈を中心に」 研究代表者・野尻英一
